化了數日功夫整理完成了杜甫終極篇,敬請觀賞!
平凡社人文誌『こころVol.51』に、拙著「令和時代に知っておきたい漢詩20選」が収録されております。その第二章は、李白と杜甫の作品を取り上げました。
ここに掲載する動画は中国語で作りましたが、上記の第二章の第二作「茅屋 秋風の破る所と為る歌 杜甫」を台本に、加筆潤色したものです。よかったら、ぜひ『こころVol.51』を読みながら動画をご覧ください。
朗読はわたくしで、バックの音楽はチャイコフスキーの『悲愴』を使わせていただきました。制作は数日もかかり、遅筆のわたくしのことなので寝食を忘れるほどでした。
完成した時には、胸が締めつけられる痛みを覚えた。
ーー時は過ぎゆくものの、人の世は変わりません。戦禍、コロナ禍、更にさまざまな人による禍は今も絶えず繰り返されている。
上海ロックダウンが始まっていよいよ二か月。上海に隠れて、更にほかの都市も続々と…。想像を絶する市民たちの苦しみを思うと、心を痛めずにはいられません。少しでも励みになれたらと思い、先週から動画で杜甫特集を二つ作りました。中国語で朗読したことを、ご理解いただけましたでしょうか?
人間らしい当たり前の生活を求めた杜甫。
歌に託した、たった一人の抵抗。
戦争や飢えや圧制が、生命を奪うことに対して、力の限りに、憤りをこめて抗議しました。
杜甫の、鋭利な言葉は、現実から眼を背けないように、いまの世界と、その中で生きる我々をも告発しています。
ギリギリのところで歌われた衝動、その破壊的な批評精神。
時に優しさや可笑しみもあって、よくよく聴いて見てみると、むしろラップじゃないか!
そんなふうに思えてきます。詩聖には失礼ですが。
心のロックダウンも解くべきだと思います。
全ての上海のかたにお見舞いを申し上げます。苦難に遭われた方、路上生活を余儀なくされた方、上海人でない方々にも。
より残酷な、血塗られた戦争の中にある人々のためには、もはや、祈るしかない。
これが長く続きませんように。