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故友田君威に捧げる詩


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先日W君と倶に、故友田君威が旧邸を訪ひぬ。


霊前にお香を献じ得て、田家の令夫人、郎君、ならびにふたりの姉君と半日語らひしは、まこと慰むる思ひなりき。


親しき友の御魂への伝言として、五言絶句一首を賦す。題して「念君吟」と曰ふ。


念君吟


身後千秋念

靈前一炷香

來生還莫逆

天地勿相忘


念君吟(ねんくんぎん)


身後 千秋の念

靈前 一炷の香

來生 還(ま)た莫逆(ばくぎゃく)ならん

天地 相忘(あいわす)るる勿(なか)れ


乙巳年辛巳月己亥日(西暦二千二十五年五月三十日)に記す。


古人に「一日三秋の思ひ」と云ふ語あり。今や君逝きてまさに一年を閲せんとす。吾が心の中にあっては、千秋の如き思念と感ず。故に「千秋の念」と詠みし。


「莫逆」、出典は『莊子』にあり、「莫逆之交」とは非常に親しき交友を言ふ。


「天地 相忘るる勿れ」とは、幽明の境いに阻まれ天上人間に別るると雖も、友情の絆は絶ゆること無く、とこしえに相忘れぬとの意なり。




 
 
 

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