故友田君威に捧げる詩
- 荘魯迅

- 6月3日
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先日W君と倶に、故友田君威が旧邸を訪ひぬ。
霊前にお香を献じ得て、田家の令夫人、郎君、ならびにふたりの姉君と半日語らひしは、まこと慰むる思ひなりき。
親しき友の御魂への伝言として、五言絶句一首を賦す。題して「念君吟」と曰ふ。
念君吟
身後千秋念
靈前一炷香
來生還莫逆
天地勿相忘
念君吟(ねんくんぎん)
身後 千秋の念
靈前 一炷の香
來生 還(ま)た莫逆(ばくぎゃく)ならん
天地 相忘(あいわす)るる勿(なか)れ
乙巳年辛巳月己亥日(西暦二千二十五年五月三十日)に記す。
古人に「一日三秋の思ひ」と云ふ語あり。今や君逝きてまさに一年を閲せんとす。吾が心の中にあっては、千秋の如き思念と感ず。故に「千秋の念」と詠みし。
「莫逆」、出典は『莊子』にあり、「莫逆之交」とは非常に親しき交友を言ふ。
「天地 相忘るる勿れ」とは、幽明の境いに阻まれ天上人間に別るると雖も、友情の絆は絶ゆること無く、とこしえに相忘れぬとの意なり。










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